医療保険の歴史

そもそもの話として、私たちが生活をしていく中で起こりうる病気、失業、労働中の災害、介護の必要性といった様々なリスクに備え予め保険に加入しておいて、いざ想定されていたリスクに見舞われた場合に現金等でその生活を保障する、という仕組みのことを「社会保険」というのですが、「医療保険」とはその社会保険に含まれるうちの1つのことをいいます。

なお医療保険の他に社会保険に含まれるものとして「年金保険」、「介護保険」、「雇用保険」、「労災保険」の4つがあります。

社会保険が始まったのは1880年代のドイツといわれ、当時のドイツのトップであり「鉄血宰相」と呼ばれた「オットー・フォン・ビスマルク」は、ドイツよりも経済的に発達していたイギリス等の他国に負けまいとして、自国の経済発展のため労働者たちの労働運動を抑圧する「社会主義者鎮圧法」を制定、しかしそれと同時に労働者の福祉向上を目的に「疾病保険法」、「災害保険法」、「老齢疾病保険法」といった法を次々と制定、労働運動を抑える代わりに、彼ら労働者の病気や災害に対する保険を用意するという「飴と鞭政策」によって、経済の発展を図ろうとしたのです。

この3つの保険法が世界で最初の社会保険で、このうちの疾病保険法こそが現在の医療保険に該当するものといえます。

そしてその後社会保険はヨーロッパ各国に広がっていき、1911年にはイギリスの首相「デビッド・ロイド・ジョージ」が「国民保険法」を制定しました。なおこの国民保険法の中には、世界で初となる「失業保険」が含まれていました。