アメリカの医療保険

医療保険は、国によってその内容に結構な違いが現れるものです。

1つ目の例としてアメリカの医療保険をあげます。言うまでもなくアメリカは世界有数の先進国です。ですがアメリカには日本のような国民皆保険制度は存在しません。

この制度が存在しないのは先進国の中ではアメリカが唯一といわれています。そのためアメリカでは基本的に民間の保険会社の保険に加入し、医療費が必要になった時に給付してもらうという形になっているのですが、これら民間の医療保険に加入できない人のため、1965年に高齢者、一部の障害者用の「メディケア」と、低所得者、身体障害者用の「メディケイド」という制度が作られました。

これによってアメリカの医療保険は万全になったと思われたのですが、上記諸制度が作られたにも関わらず、2000年の時点でこれら保険に加入できていない無保険者が約4200万人、実に国民の7人に1人の割合で存在していたのです。

何故そうなかったというと、高齢者でなくまだ十分に働けてそれなりに収入はあるものの、民間の保険がそれ以上に高くて購入できない、つまり民間の保険を購入できるほどの稼ぎがなく、メディケア、メディケイド両方の対象にもなれない人たちがいたからです。またアメリカは先進国のため最先端の医療技術がありますが、それゆえに治療費が高騰してしまっていることも無保険者の発生に拍車をかけているといわれます。

これらアメリカの医療保険に関する問題はかなり深刻なもののようで、毎回その作品内容で物議を醸すドキュメンタリー映画監督、マイケル・ムーアによって「シッコ」という映画にもなっているほどです。