船員保険
全国健康保険協会が運営する、船員を対象とした健康保険を「船員保険」といい、1939年に「船員保険法」に基づき、海上生活を送っている船員の生活保障のため発足しました。
対象となるのは、「船舶法」という日本の船舶の行政的保護と取り締まりを目的として作られた法律に規定された船員として、船舶の所有者に使用される者です。
また対象となる船舶の種類も決まっていて、上記の船舶法によって定められている日本の船舶、また日本以外の船舶でも、日本人あるいは日本の法人によって借り入れが行われているもの、もしくは外国の港まで航海を請け負った船舶、日本の政府が配乗をしている船舶等となっています。
なおこの船舶の中でも、重量が5トンに満たない船舶、湖や川、港内のみの航行に限られている船舶、重量が30トンに満たない漁船の一部、スポーツやレクリエーションに使用されるためのヨットやモーターボート等は対象から除外されます。
船員保険は、一般的な健康保険にあたる部分と、船員という職業の特性に応じた給付の上乗せを行う部分の2階建て方式になっています。昔は独自の年金や雇用保険、労災保険の制度が存在していましたが、1986年に年金制度が厚生年金に、2010年に雇用保険と労災保険の制度が一般の雇用保険と労災保険にそれぞれ統合され、独自の制度ではなくなりました。
船員という、一般の職業とは異なる場所での職務に就いている者のための保険なので、「行方不明手当金」という珍しい種類の給付金があります。これは被保険者が何らかの理由で1か月以上行方不明になった時、その被扶養者に給付金が支払われるという仕組みです。